厳しい自然環境とつながる荒々しい魅力

神々のとどろき

民話の世界はとても魅力的です。日本の昔話でお薦めするのは、例によって「季刊 子どもと本」お薦めの日本昔話百選ですが、他の国々の昔話にも引き込まれてしまうものがたくさんあります。

その中で今回は北欧神話神々のとどろき―北欧神話 (岩波の愛蔵版)をご紹介します。

昔話は子ども向けにできているはずなのに、時として残酷すぎると思われるシーンが登場するものです。たとえばかちかちやま (日本傑作絵本シリーズ)のばば汁など。

神々のとどろき―北欧神話 (岩波の愛蔵版)

ドロシー・ハスフォード 岩波書店 1976-12-10
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この神々のとどろき―北欧神話 (岩波の愛蔵版)も、まず大地のでき方からして度肝を抜かれます。神々が悪い巨人を退治すると、彼の血で仲間の巨人は溺れ死に、神々は死んだ巨人の肉から陸を、骨から山々を、頭骸骨から天の円天井を創り出すというシュールさ。

相手を殺す話も多く、読み聞かせしながら驚いてしまうこともしばしばでした。

それなのに、訳者の山室静氏は後書きでしきりに「子ども向けに原典の記述を平板化し過ぎ、弱々しいものにしてしまっている。いくら子ども向けとは言っても、もう少し原典の趣きを入れるべきであった」という趣旨の発言をされています。原典はどれほど衝撃的なものなのか、読んでみたくなりますね。

図解 北欧神話 (F-Files No.010)

池上 良太 新紀元社 2007-06-26
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神々のとどろきの中で、巨人達はいつも悪事を働くのですが、ロキという巨人は悪事を働きながらもなぜか神々の世界にいつづけます。あまりにひどい悪事の後には、毒蛇の毒がちょうど顔にかかる位置に縛り付けられ、顔に毒がしたたりおちると大地全体が震えるほどに身もだえする日々を送る運命ですが。

私としては「弱々しい」どころか荒々しい世界に感じられる物語ですが、豪快なトール神の言動の魅力なども相まって、ページをめくるのが楽しみな、新しい世界との出会いがあります。やはり日本とは異なる次元の過酷な自然との戦いが必要となる風土から、こうした物語が生まれたのでしょう。

残念ながら、現在、神々のとどろきは絶版になっているようです。

でもこちらもなかなかよさそうです。

北欧神話 (岩波少年文庫)

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どこかで神々のとどろきと出会う機会がありましたら、是非読んでみてくださいね。

世界の昔話で他に強いインパクトをもたらした物語はアラビアン・ナイト (福音館古典童話シリーズ (33))です。豪華絢爛かつ濃厚なストーリーの数々。こちらについてはまたの機会にご紹介しましょう。そうそう、他に、アフリカの伝承なども面白いですし、こうやって思い出してみると、昔話にもお薦めがたくさんありますよ。

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